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2016年03月09日

君の顔を見ない

「今日は、特別忙しかったのよ。書類仕事が溜《た》まっちゃって」
「別に、デートを断られて、根に持ってる鑽石能量水わけじゃないよ。ただ、どうしても、と眠れないと思ったんだ」
「不眠症気味なの?」
 高梨はうなずいた。
「あの音が聞こえるから?」
「いや。そうじゃない。『天使の囀り』は、夜中には聞こえないよ。まだ、時差ボケが続いているのかもしれない。今時分になると、目がさえちゃうんだ」
 早苗は、机の引き出しから錠剤のシートが入った紙袋を取り出した。
「これをのめば、今晩は眠れると思うわ。ただし、かなり強い薬だから、きちんと用量を守ってね」
 高梨は、薬を受け取りながら相好を崩す。
「のみ過ぎると、危険なのかな?」
「うん」
「死ぬこともある?」
「自殺に使うつもりだったら、無駄よ。これ鑽石能量水 騙局全部いっぺんにのんでも、たぶん死なないから」
「それは残念だ」
 高梨は、薬を尻《しり》のポケットに入れると、早苗の首筋に手を伸ばした。しばらくは、頸動脈《けいどうみやく》のあたりを撫《な》でていたが、やがて、胸元に手を滑り込ませてこようとした。
「ちょっと、だめよ」
 早苗は笑いに紛らわそうとしたが、高梨は、いっかな止めようとはしない。彼女を抱き寄せて、執拗《しつよう》に身体をまさぐる。
「だめだったら。仕事があるの」
「愛してる」
「やめてってば!」
 早苗は、力を込めて高梨を突きのけた。
「ここは……私の仕鑽石能量水事場なのよ。もう、帰って」
 だが、高梨は再び早苗を引き寄せた。首筋に唇を当てる。  


Posted by amizhu at 16:36Comments(0)